日刊 あおのうま Vol.1565(2015.07.11)【味の向こう】

投稿者: | 2015/07/11

本 と 人

私は基本的に本の内容と著者さんは分けて考えるタイプでした。
書籍の著者さんというのは、テレビや映画に出てくる役者さんと同じで、作品である本と、それを書いた著者さんは別物であるという意識があったからです。

ところが、Twitter で本やマンガの著者さんの日常や考え方に触れる事が出来る様になったりした結果、少なくとも本に関しては著者さん自身の人となりに強く興味を持つようになりました。 *01これが不思議なことに、役者さんとか音楽関係者には相変わらず作品以上の興味がわかないんですけれどね。

これまで学校の国語の授業や大学の文学の講義で著者の思想や時代背景等が作品に対して如何様に表れているか等を散々っぱら学んできたにも関わらず、学生でなくなって20年近く経ってようやく、そこに思い至る様になったわけです。

それまでは「所詮は受け手の勝手な想像に論理的整合性を持たせるだけの行為だろうがよ」と斜に構えて考えていたのですが、こうして手軽に作品の背景に触れる機会を得ると、その意味というか見え方も随分と変わりますね。

その人は何故そう考えるのか。
これを書いた人はそこに何を見たのか。
あれをこの人ならどう書くだろうか。
それらは自分とどう違いどう重なるのか。

そんな事を想像し、そして事によれば直接聴くことが出来るという事が非常に楽しい。

まあ、ちょっと残念な事もあって、著者さんの人となりが常に頭の片隅に居座るので、作品そのものを単純に楽しむというのが難しくなりましたけれどね。

ただ、それを差し引いても、やはり文章の向こうにいる「人」に触れるのは面白い。
これはブログを書くようになって、著名なブロガーさん達と交流が出来た時にも強く感じたことです。

文章と言うのは、その書き手が切り取った世界の断片です。
私にとって、それは料理の様なもので、そこには料理人の技量と思想があります。

これまでは、ただ出された料理を楽しむだけでした。
ですが、今なら店構えや、そこに込められた料理人の意気も楽しめる。

無論、料理に味意外の評価軸は不要という向きがあっても良いと思います。
ですが、せっかくなら幅広く奥深く楽しみたいじゃないですか。

そんなわけで7/26が今から楽しみなのでした。


脚注

脚注
01 これが不思議なことに、役者さんとか音楽関係者には相変わらず作品以上の興味がわかないんですけれどね。

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