トップダウン と ボトムアップ

投稿者: | 2015/01/18

トップダウン と ボトムアップ

昨日 *01といっても数時間前 、明石である方とトップダウンとボトムアップについての話になったのですが、
自分の考えるところのトップダウン、ボトムアップをその方に上手く説明ができなかったんですよね。

で、そのままってのも気持ち悪いので、自分の頭のなかの整理を兼ねて書いてみようと思います。

(以下、私が考えるところの「トップダウン」と「ボトムアップ」の内容になりますので、辞書と違うとか言わないで下さいね。)

(私の考える)トップダウンとは

先ずゴールを設定し、そこから、そこに至るための行動を起こすことで結果を得る手法。

カレーを作ると決めて、そのための材料を用意していく感じ。

明確にゴールを定めてあるので、あまり迷わずに済むという事と、何をすれば良いか自動で決まる事が利点。
カレーを作ると真っ先に決めているので、その時点で買うものも手順もほぼ決まる。

反面、思い通りに行かない場合には、都度「どうするか?」を決める必要がある。
ビーフカレーを作るつもりでいたのに、牛肉が手に入らなかった時、チキンにするかポークにするかそれともシーフードか…etc.

あと、カレーが何か?何カレーを作るのか?など、カレーを作ると決めた人との意思疎通がちゃんと出来ていないと、お手伝いし辛い。

 

(私の考える)ボトムアップとは

まず現状を見渡し、そこから、必要と思われる行動を起こす事で結果を得る手法。

冷蔵庫の野菜室にひと通り材料があったから、今日は豚汁にしようと決める感じ。

状況を踏まえて行動するので、現実的な動きが取りやすいのが利点。
手元にある物で何を作るか決まるので、無理がない。

反面、状況に左右されるので、先が見え難い。
野菜室に何があるかを確認してからでないと、夕飯のメニューも決められない。

あと、出来上がるものが必ずしも自分の食べたいものになるかはわからない。

 

どちらが優れているのか

さて、ちょっと意地悪な質問をしましょう。

トップダウンとボトムアップ、どちらが優れているのでしょうか。

トップダウンは決め打ちで動ける安心感がありますが、状況の変化に柔軟に対応し辛い性質があります。
ボトムアップは状況に合わせた動きがとれる自在性がありますが、状況の変化に流されやすい性質があります。

今日の夕飯をカレーにするか豚汁になるか程度の事であれば、なんでもええがなとなるでしょうが、事が企業の経営だったり仕事のマネジメントだったりすると、そうも言っていられなくなるかもしれませんね。

どちらを選ぶべきなのでしょう。

 

孤掌は鳴らし難し

ちなみに、私の答えは「どっちでもええがな」です。

トップダウンにはボトムアップによるフィードバックが必要ですし、ボトムアップにはそれを方向付けるトップダウンが必要なのです。

例えば、ビーフカレーを作ろうとトップダウンで行動を起こした後、買い物に行ったら牛肉が無かったとします。
その時、家に電話して「今日、牛肉ないけど鶏肉の良いのあったしチキンカレーにしない?」と提案がありました。

それは「いま牛肉は無いが鶏肉ならある」という状況をベースにしたボトムアップの動きです。

そして、それが無ければ「カレーを作る」というトップダウンは成立しないのです。

そこで「いやビーフ以外はカレーと認めん!」というのも1つの選択肢ではありますが、少なくともボトムアップの経路で情報が上がってこなければ、その決断すら下せません。

一方、野菜室の残りを見て、そこに並んだジャガイモ、人参、玉ねぎ、からボトムアップで「何ができるかな?」と考えた時、「よし!豚汁が出来るから、それを作ろう!!」と決めるのは、トップダウンの「決断」です。

実は、トップダウンから入ろうが、ボトムアップから入ろうが、結局、両方のアプローチというのは発生しているのです。

両者は対立する2項ではなく、物事に対して行動を起こす際の視点の違いでしかありません。
ちょうど手を打ち鳴らすのに片手だけでは難しい様に、両者がそろってはじめて有効に機能するのです。

 

右手と左手

とは言え、人に利き手がある様に、トップダウン・アプローチを好む人と、ボトムアップ・アプローチを好む人はいます。

例えば、私はどちらかと言えばトップダウン・アプローチを好む方です。
理由は「手っ取り早い」事と「自分がすぐに状況に流されてゴールを見失う」からです。

ですが、それは利き手の例えを挙げたように、単にどちらから入るのを好むか、やりやすいか、程度の話。
繰り返しになりますが、手を鳴らすには両手を合わせる必要があるのです。

トップダウンで入ろうが、ボトムアップで入ろうが、両方の視点と動きを取らずに事を成すのは、とても難しい。

そう考えると、右手と左手と言うより、右足と左足と例えるほうが良いかもしれませんね。
歩き出しがどちらからであろうと、両足を使って歩くことには変わりがないのですから。

 



 

脚注

脚注
01 といっても数時間前

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