タスクシュート(TaskChute)ってこんな感じ?

投稿者: | 2013/06/15

ずーっと気になっている

ずーっと以前からタスクシュートが気になっています。

理由は、私の知る限り唯一、過去と現在と未来を貫く形で機能しているタスク管理手法だ(と私には見える)から。

ただ、気にはなっているのですが、未だに実践には至っていません。

 

そんなら何でやらへんの?

なぜ、気になっているのに実践しないのか?

それは、導入と運用に関する環境的な制約に「Excel VBAの使用」が強く打ち出されているからです。

私は現在、MacおよびiPhone をメインのコンピュータ環境に据えています。
その環境でExcel VBAを要するシステムを動かすのは、正直なところ「面倒くさい」のです。

面倒くさいことは続きません。

それは、どんなに優れた手法でも同じです。

 

どないかならんかなー

それでも、私はタスクシュートに惹かれます。
冒頭に述べた「過去と現在と未来を貫く形での機能」の持つ合理性に、強い納得感を持っているからです。

そして、私なりにタスクシュートについて情報を自分の中に蓄積した結果。
タスクシュートってこんな感じ?というモヤッとしたカタチは頭の中にできました。

で、それが正しいのか答え合わせができれば、必ずしもExcel VBA に頼らなくても、同様のシステムを構築できるのではないかな?と。
そう考えています。

タスクシュートの仕組みについての本(できれば是非Kindleで)があれば、それで答え合わせができるわけですが、残念ながらタスクシュートに関する本というヤツは、今のところありません。

 

そんなとき…

↓そんな中、Twitter を眺めていると、こんなツイートが。

おおお、関西でタスクシュートに関する集まりがある!?

しかし、内容をチェックしたところ、残念ながら今回は既にタスクシュートを実践されている方達の集まりな模様。

で、以下の様なぼやきツイートをしたところ、なんとタスクシュートの御大とでも言うべきシゴタノ!の@shigotano さんからメンションが!!

↓で、こう回答したら…。

↓こう言って下さって。

この記事を書くに至っております。

 

てなわけでー

と、長い前置きでしたが、ようやく本題。
私の頭にある「タスクシュート?」について連々と。

以下は全て、私あおのうま(@uma_blue )の勝手な理解と解釈に基づく内容です。

本来のタスクシュートに対して著しい誤解や的外れを述べている可能性が大です。

読まれる方はその点を重々ご理解の上、読み進めて下さい。

また、タスクシュートに関する情報を求めて来られた方は、申し訳ありませんが、サクッとブラウザからこのページを消して下さい。
ごめんなさい。

 

夏休みの予定表?

タスクシュートはその日の予定を全て満たします。

それは子供の頃に作った「夏休みの計画」に似ています。
24時間すべてに隙間なく「何をするつもりか?」を当てはめていきます。

ただし、それは全てを予定でギッシリに埋め尽くすというわけではありません。
いわゆる「自由時間」というのも予定には含まれます。

その上で、予定に対してどうだったのか?をひたすら記録し、いまやっている予定がズレ込めば、次の予定はその分後ろ倒しにして行く。
ただ、それを繰り返すだけの、非常にシンプルな手法なのです。

 

タスクシュートが見せてくれるもの

この様に、乱暴な言い方をすれば、タスクシュートは夏休みの予定と、その結果の記録です。

そして、それを実践した結果、以下の様なことが見通せるようになります。

  • いま、何をするのか?
  • 今日、すべての予定を終えるのはいつの見込みか?
  • それはどの程度信頼できる見込みなのか?

 

「現在」にフォーカスさせる

タスクシュートは、今の時間に行うタスクを明確に示します。

「今なにをすべきか?」を明確にすることは、「さて、何をしよう?」という人間独特の素晴らしくも__しかし時には非常に迷惑な__思考を排除してくれます。
目の前に「今」取り組むべき(と自分で決めた)タスクを据えてくれるのです。

悩んでいるヒマはありません。
そこに自分で「やる」と決めたことがあるのですから、それをやれば良いのです。

 

「未来」を見通す

タスクシュートに積み上げられたタスクは、これから先の時間とタスクの実行結果についての見積りを示してくれます。

「これからどうなるのか?」という見積もりは、未来への不安を取り除いてくれます。

想像力を持つ人間にとって、先が見えないというのは不安の元です。
見えない未来を想像し、それによって思考はたやすく堂々巡りや迷走をはじめます。

しかし、この道(タスクリスト)を、このペース(タスク見積もり)で進めば、この時刻には目的地(タスクのクリア)に辿り着ける、という見通しは、その不安を大きく緩和してくれます。

不安が無ければ、余計な心配に気を取られずに済みますし、もしペースが見積もりより悪ければ、早めに軌道修正も可能です。
無茶な行程を組み、途中で力尽き、全てを投げ出すリスクも大きく減ります。

 

「過去」に立脚する

また、タスクシュートは実績を記録します。
ここが「夏休みの予定表」とは大きく違うところで、私がタスクシュートに最も惹かれるポイントです。

積み上げたタスクの見積りに対して、実際のところどうだったのか?
これは「過去」に立脚した仕組みです。

人は何か予定を組む時、たいてい自分に都合の良い見積りを立てます。
それは必要以上に希望的だったり、悲観的だったりします。

すると、それを反映した見積りの精度は低くなります。

しかし、タスクシュートに蓄積された実績は、冷静に現実を突き付けてきます。

「それ、5分で出来る言うてるけど、この前30分もかかっとるやん。平均しても15分かかっとるし、最頻値なんか22分やん。」と。
日々のタスク登録において、希望的(あるいは悲観的)なバイアスを緩和してくれるわけです。

 

定量的データを元にした強力な半自動レビュー機能

しかも、この実績記録は自動的にレビューの機能も兼ねています。

常に見積りに対して「実際のところどうだったの?」が記録されます。
これは、見積り精度を高めるための客観材料を自動収集しているのです。

少し前述しましたが、収集されたデータを統計すれば、最小値、最大値、最頻値、平均値、が見えてきます。
最小値は、そのタスクが最も順調に進んだ場合の実績、最大値は、最も手こずった場合の実績、最頻値は最も多い所要時間、平均値は正直おまけみたいなもんですが、最頻値との差を見ることで、実績のバラ付きの方向性を知ることが可能です。

また、データを並べてみれば、同一タスクの変動傾向も知ることができます。

以前は30分かかっていたタスクが、回数を重ねることで15分で出来るようになっていたという様なことも知ることが可能です。
タスクによっては、季節や体調による変動もあるかもしれません。

これらは「実績」というログを残さねば知り得ない過去の自分からのギフトなのです。

このログというギフトにより、タスクシュートは最低限のメンテナンスを担保されています。

あらゆるシステムと名のつくものは、メンテナンスが不可欠です。
高度なシステムであればあるほど、その傾向は顕著です。

例えば、GTDで週次レビューが続けられず、躓く人が多いというのも、この故です。

しかし、タスクシュートは使えば使うほど、実践すればするほど、自己の持つデータの信頼度を量的に押し上げてくれます。
それは理論や予想には無い、事実という非常に強力な補正です。

無論、タスク自体の粒度の見直しなど、人の判断を要するメンテナンスもありますが、システムの自律性において他のタスク管理手法の追随を許さないことでしょう。

 

「教典」が欲しい!

この様に、過去・現在・未来を貫いて活用できるタスク管理システムは他に類を見ません。
このタスクシュートを何とかしてExcelの枷から解き放ちたい。

そう考えている人は、私だけではないでしょう。

で、これらタスクシュートが持つ特性・機能を満たすために必要な機能要件が浮かびます。

  • タスク見積りの記録
  • タスク見積りの再利用
  • タスク実績の記録
  • タスク実績の統計
  • タスク見積りの編集
  • タスク実績へのメモ追記
  • タスク見積りのリスケジューリング
  • タスク実行時のタイマー
  • タスク実行時のアラート

使い勝手を考えると、他にも細かい機能要件は出てきますが、とりあえずはこんなところでしょうか。

これらの機能をExcel ベースで扱う理由ですが、おそらく強力な表計算機能と、Excel という非常に一般に浸透しているソフトウェア、そしてExcel VBAという扱いやすく強力なスクリプト言語を持つことにあるのではないかと想像しています。

ですが、これらの機能は必ずしも「Excelでなければ得られないもの」ではありません。

大切なのは、そこにある考え方であり、メソッドなはずす。

GTDを実践しようとするとき、OmniFocusは非常に魅力的なツールですが、GTDはOmniFocus 無しでも実践可能です。
それは「GTDとはこんな考え方で、タスクをこう扱う」という「教典」が存在するからです。

利用者はその「教典」に沿った形で、自分たちの環境にあったGTDシステムを構築できるのです。

私はタスクシュートにも、その様な「教典」があって良いと考えています。
と言いますか、私が欲しいのです。

(欲を言うならKindle で、更に欲を言うならPDFで。)

 

以上が、私がタスクシュートについて理解している(と思っている)ことと、望むことです。

@shigotano さん、こんな内容でええんでしょうか?

 

参考(つか、こちらを読みましょう)

ちなみに、タスクシュートについて私が一番参考にさせて頂いているのが、@Surf_Fish さんのブログです。
気になる方は、ぜひそちらをチェックしてみて下さい。

私の妄想9割な話でなく、ほんまもんのタスクシュートについての記事がしっかりとまとめられております。


 

2013.06.16 追記

@shigotano さんにこの記事を読んで頂き、以下のリプライを頂けました。
私のタスクシュートに関する理解は、どうにか及第点だったようです。

さて、こっからどうするかなわけですが…。

 

2014.07.14 追記

待望のタスクシュートについての教典と言うべき書籍が出ております。

 



 

タスクシュート(TaskChute)ってこんな感じ?」への2件のフィードバック

  1. Micku_Jagger

    初めましてー
    taskchuteのページから来ました。
    自分は、taskchuteをfilemakerというソフトで自作しています。
    他の人で自作のファイルを公開している人もいます。
    「fikemaker taskchute」でググれば出てきます。参考までに。

    返信
    1. @uma_blue 投稿作成者

      おぉぉ!! Michku_Jagger さん、ありがとうございます!(>_<)
      さっそくググってみます。<(_ _)>

      返信

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