私が傾倒している問題解決手法の1つに
「TOC(Theory Of Constraints)-制約条件の理論-」と呼ばれるものがあります。
その手法の基本中の基本。
「ボトルネック」について、少しだけ解説です。
ボトルネックとは
ボトルネック、直訳すると「瓶(びん)の首」です。
瓶からお酒を注ぐとき、お酒が出てくる量は瓶の一番細い部分(首)で決まります。
これに例えて、物事の成果を得るときに、その最大限度を決定する制約ポイントを差して、ボトルネックと呼びます。
ボトルネックの見つけ方
ボトルネックは、瓶の一番細い部分。
言うなれば、最も流れが滞る場所です。
つまり、出力したい「何か」が最も滞留している場所。
そこがボトルネックなわけです。
あるラーメン屋がいつも行列で繁盛しているとしたら、
ボトルネックは客がズラリと並ぶ部分にあります。
つまり、席数の少なさがボトルネックであると判るわけです。
ボトルネックの持つ意味
ボトルネックは、出力の最大を決める枠です。
それ以外のどこを大きくしようが、ボトルネックを超えて出力は大きくなりません。
どんなに店員を増やそうと、席数のMAXを超えた客回転は得られないわけです。
ボトルネックの最大化
ですから、ボトルネックを見つけたら、
ボトルネックが持つ能力を最大まで引き出す様にするのが肝心です。
そして、可能ならばボトルネック自体のMAXを引き上げるようにします。
もし席数が10しかないなら、席数を1席でも良いので増やすわけです。
それだけで客席1回転あたりの効率は10%もアップすることになります。
1日に10回転するお店なら、それだけで100%の効率アップ。
客回転を1回転分増やせるわけです。
他の全てはボトルネックに追従
ボトルネックの能力を最大まで引き出したら、
他の要素はそれを維持するために全てを注ぎ込みます。
先ほどのラーメン屋が、これ以上席数が増やせない状態なら、
今度は席が早く空く様に工夫します。
食べ終わったドンブリはすぐに下げる。
食後の一服で腰を落ち着けない様に、店内を禁煙にする。
などです。
とにかく、ボトルネックが常時フル回転出来るようにしてやるわけです。
ボトルネックは移動する
ボトルネックは移動します。
それまでボトルネックであった場所は、最大化によってボトルネックではなくなり、
新たなボトルネックに追従するべき要素に変化します。
逆に、これまで追従する位置にあった場所が新たなボトルネックになる場合になります。
新たなボトルネックを探すのも簡単で、やはり出力したい「何か」が多く滞留する場所を探します。
最初は席の数がボトルネックでしたが、
2号店、3号店を出店したことで、席数に余裕が出来てきました。
席数に余裕が出来ましたので、もう席数はボトルネックではありません。
席数に空きが出来たと言うことは、お客の滞留は店先より前の段階、
お客の家や看板、広告など「お店に来る決定」に移動したわけです。
再び客数がボトルネックとなりましたので、
新たなボトルネックの最大化が必要になります。
新メニューの開発や、ランチタイムの客数確保が課題になるかもしれません。
広告の出し方を検討する必要があるのかもしれません。
以下、繰り返し
ボトルネックの発見→最大化→移動→発見→最大化→移動→…を繰り返して行きます。
こうして、可能な限り生産性を上げて行きます。
このレベルまで来ると、
自発的にボトルネック改善の行動が出来るようにする習慣化が必要になります。
蓄積したノウハウを効果的に共有・展開する体制が大事になってくるわけです。
店長育成や、店員教育の研修などです。
いずれ市場自体がボトルネックになる
こうして、ボトルネックを探しながらどんどん最大化して行くと、
いずれ市場そのものがボトルネックになります。
そうなると、市場自体を拡大したり、新しい分野に進出したりすることが、
ボトルネックの最大化になって行きます。
業界内での競争から、業界自体の牽引や競争がステージになるわけです。
業界を巻き込んだ「つけ麺ブーム」の仕掛けや、
他の外食産業との競争を視野に入れた展開などですね。
ザ・ゴール
以上が「ボトルネック」に関する解説です。
いかがでしたでしょうか?
ブログ書き、ライフハック、仕事なんかにも通じる心当たりがありませんか?
この「ボトルネック」に対するアプローチを含め、
「TOC(Theory Of Constraints)-制約条件の理論-」に興味を持たれた方は、
以下の本を読んでみて下さい。
「小説」になっていますので、とても楽しく読むことができます。