好みの軸 と 有用性の軸
@nokiba さんの、以下の記事を読んで思ったこと。
恩恵に挙げた2項もそんなにマストな利点に見えないし、およそ「アウトライナーいいよ!」って記事には見えないんですが、でもアウトライナー使うていはるんですよね。そこが気になる。>>アウトライナーにしたがって本を書いています http://t.co/ejQv39YoyR @nokiba
— あおのうま (@uma_blue) July 1, 2013
さほど気に入っている様子もないアウトライナーツールを使う@nokiba さんの意図が理解できなかったので、上記の様なツイートを流しました。
すると、ありがたいことに@nokiba さんからリプライが。
@uma_blue 一点めはともかく、二点目はわりと大事です。程度問題なのですが、その程度が高めなのです
— 佐々木正悟 (@nokiba) July 1, 2013
で、その後さらにしつこくあれこれと聞いた結果。
@uma_blue 他メモと列を追加できる機能や、項目の入れ替えも、だいたい「常識」(私の主観もありますが)にハンしないようにできていて、好きでなくても使っていられます
— 佐々木正悟 (@nokiba) July 1, 2013
@uma_blue こと私に関する限りそうは思いませんw 私はアウトライナーというか、この種のツリー構造そのものがあまり好きでないのです。マインドマップもそうですが。こういう形式自体に好感が持てないのに使っているんだからこのツールはすごい、といいたいのですw
— 佐々木正悟 (@nokiba) July 1, 2013
@uma_blue まあそういうことですねw 理想のツールは今のところイメージないですね。そういうツールを私はさほど欲してないです。いまのところは
— 佐々木正悟 (@nokiba) July 1, 2013
@uma_blue はいこれもそういうことですねw
— 佐々木正悟 (@nokiba) July 1, 2013
ちょっとした驚き
上記の様なやりとりから推察するに、@nokiba さんはアウトライナーツールを使用するにあたって、「好み」の評価軸と「有用性」の評価軸を、個別のものとして扱っている様です。
これは私にとって驚きでした。
何らかの制限下にある場合を除いて、有用性の評価軸が好みの評価軸に歪められない__あるいは然程影響を受けている様に見えない__状態というのが想像し難かったからです。
好みと有用性
人はだいたいにおいて有用性の高いものを好みます。
誰でも便利なツールは好きなのです。
或いは、好みのものであれば、多少の不便さには目を瞑るという傾向もあります。
Macを気に入っていれば、TaskChute の実行環境に__今は__向かずとも、そこは折り合いをつけて使用します。
好みでないものを選ぶ理由
しかし、好みでないツールを「有用だから」という理由で利用できるか?と問われると、首を傾げてしまうのです。
道理では理解できます。
目的があり、求められる仕様があり、それを最も満たすツールがある。
であれば、それが好みであろうとなかろうと、それを使用する。
至極まっとうな意思決定の流れです。
嗜好を切り離した合理性の存在
ですが、アウトライナーという比較的好みに左右される傾向の強いツールにおいて「有用だから」という理由で、好みに沿わない__しかもアウトライナー自体が好みでない!__モノを利用するというのが腑に落ちなかったのです。
好きじゃないなら、違うツールを求めるよね?と。
ところが、先にも述べたように、「好み」の評価軸と「有用性」の評価軸を自分の中で別個に扱えるのであれば、話は違います。
たとえそれが「好きではない」ツールであったとしても、「有用」でありさえすれば充分ということもあり得るのです。
夢想 と 現実
私の場合、「好みでないが有用なツール」があるならば、どうしても「好みに合って、かつ有用なツール」というのを夢想してしまいます。
ですがそれは、「理想のツール」が「手の届く範囲に存在する」という状況がなければ、単なる無いものねだりです。
無いものねだりをするぐらいなら、実際に利用できる「好みでないが有用なツール」を使う方が、よほど現実的な解と言えます。
「理想のツール」という青い鳥
とは言え、この「理想のツール」という青い鳥を追う旅は非常に魅惑的です。
なにせ「理想」ですから。
これを追わない人生に何の楽しみやあらんというわけです。
しかして、今日も届かぬ理想を目の前にぶら下げつつ、あちらへフラフラ、こちらへヨロヨロしているのです。
見極めどころと方法は?
@nokiba さんの様に感情の軸と現実の軸を上手に切り分けるには、何らかの見極めの基準と方法が必要ではないかと考えます。
噛み砕いて言うと「これ以上は現状望んでも無駄」という損切りポイントの決め方です。
おそらくこれまで散々@nokiba さんが言ってきたことの中に答えはあるはず。
もう1度、手元にある@noliba さんの本を読みなおしてみましょうかね。