それを知ったのは、Twitterからでしたでしょうか。
週刊アスキー読者の皆様へ
「え?」と思った私が目にした記事は、以下の様な内容でした。
週刊アスキー読者の皆様へ
文●福岡俊弘
2011年03月22日00時00分
この度の大地震に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、犠牲になられた方々とそのご遺族の皆様に深くお悔やみ申し上げます。
まず、3月22日発売号の週刊アスキーの表紙ですが、いつもの週アスの表紙を心待ちにしていただいていた皆様には本当に申し訳なく思います。震災後に伝えられる映像やネットの情報を見るにつけ、表紙に入れるべき文章もビジュアルも、正直、何も思いつきませんでした。そのため、今回のような表紙になってしまったことをお詫び致します。
でも、これが先週の、週刊アスキー編集部の偽らざる心境でした。物流システムが回復していないため、週刊アスキーが届いていない地域が多数あるという報告を受けました。そこで今回、前号(3月14日発売の週刊アスキー増刊号)から、東日本の物流システムが十分に回復するまでの間、全記事ページをPDF化し、公式サイト『週アスPLUS』にて無償公開することにしました。ただ、PDF化したデータは大容量になるため、今すぐに公開しますと、被災地域の通信トラフィックの障害となることが懸念されます。そのため、被災地域での通信インフラが十分に回復したと判断できた時点で公開させていただく予定です。具体的には3G回線がほぼ全域で回復する、などといった状況を想定しています。
すでにPDF化の準備は進めております。公開にあたっては、週アスPLUS(http://weekly.ascii.jp/)においてお知らせ致します。
週刊アスキー総編集長 福岡俊弘
どうか、どうか頑張って下さい。
びっくりしました。
物流が回復するまで、週アスの全記事をPDFで無償公開すると言うのです。
ジャンプでも、サンデーでもマガジンでもなく、 *01そしてチャンピオンでもなく
週刊アスキーがです。
今回の震災で、ここまでやってみせた雑誌を私は知りません。 *02本当に、単に知らないだけかもしれません。
その場合はこっ恥ずかしい限りですな。
コンビニ売りもしている、比較的メジャーな雑誌とは言え、
失礼ながら、そこまでする余裕と度量がある雑誌とは思っていませんでした。 *03本当に失礼だな…
買おうと思った
そして、次に私の頭に浮かんだのは「これは買おう」という気持ちでした。
実は私、数年前までは週刊アスキーの購読者でした。
しかし、近年は記事の内容にあまり興味がわかなくなってしまい、
ぱったりと買うのを止めていたのです。 *04私がiPhone&Macユーザーになったのが大きいかもしれません。
週アスの記事は、基本Window寄りですから。
ところが、今回のこの快挙を目にして、
「これは買ってやらねばならん!」との思いが強く湧きました。
「東日本が買えないなら、西日本に済む私が買い支えてやろうじゃないか!」と。
買った
そして、仕事帰りに近所のコンビニに寄り、週アスを購入しました。
360円でした。
実際のところ
週アスだって商売です。
全くの慈善的理由から無償配布を決定したわけではないでしょう。
うがった見方をすれば、一種の売名行為と取れなくもありません。
しかし、そんな事はどうでも良かったのです。
かつて楽しませてもらった雑誌が、
他のどの大手雑誌もやっていない事にチャレンジしようとしている。
「その気概に360円くらいなら払っても良いな。」と思ったのです。
そんなわけで、
今、私の手元には、これまで見た記憶のない「とても白い表紙の週アス」があります。
少しの懐かしさと、
「その360円も募金箱に入れりゃ良かったんじゃねぇの?」
という自分自身への突っ込みと共に。