日刊 あおのうま Vol.1759(2016.01.20)【踊らせない】

投稿者: | 2016/01/20

先送り と 目的確認

最近はお仕事べったりなので、今日も仕事のお話です。
今日は、紛糾し始めた会議の方向習性について。

コンピュータに限らず、仕事のやり方など、何かの仕組みを見直す場合。
どうしても枝葉末節に意識が向かってしまいます。

こういう場合はどうするのか?こんなケースが過去にあったが、それで良いのか?あれは?これは?それは?
検討を重ねると言えば聞こえは良いのですが、目的から見ると「それ、いま検討せなあかん事か?」という内容に限って紛糾します。

そんなとき、皆さんはどうしますか?

私の場合、大きく分けて2つの対処を使い分けます。
まず「それ、目的に大きな影響は出ないでしょうから、また今度にしましょう」と、先送りして切り離す方法。
この利点は「却下」でなく「先送り」という点と、「目的に大きな影響は出ない」と主張することです。

却下されると、そのテーマに拘っていた人たちは不満を憶えます。
ですが「また今度にしましょう」という体裁を取れば、少なくとも別の機会を期待できます。*01まあ、大概「別の機会」は拘っていた人達自身ですら作ることはありませんが。つまり、そういう内容なのです。

また、目的に大きな影響が出ないと主張する事で、周囲に「この件の目的は何だっけ?」を再認識させる事ができます。
話が枝葉末節に逸れている場合、その状況の最大原因はメンバーが目的を見失っている事です。
なので、目的を再び意識してもらう事で立て直しを図るわけです。

ですが、たまに「先送り」+「目的再確認」では解消できない場合があります。
それは「目的に大きく影響しそうだけれど、決めるには判断材料が少なすぎる(と考えられている)」場合です。

この場合「目的に大きな影響がない」とは言えませんので、単純な先送りは受け入れられません。
では、どうするか?

実は、これも先送りの変形で話を進めます。

判断材料が少なすぎる(と考えられている)から、決めあぐねて紛糾しているわけで。
ならば「(仮)」でも良いので、とりあえず決めてしまえば良いのです。
その上で、見直しの予定を設定して、その時点で仮設定した決定は合っていそうか?を確認し、合っていればそのまま続行。
想定と違ってきているならば、そこで再度見直しをかけましょうと。

その際「(仮)」で決める内容は、なるべくシンプルな内容を選びます。
理由は単純で、見直しの時に確認しやすいからです。

複雑な選択をすると、その結果確認にも複雑な方法を要する場合が大半です。
あるいは、結果確認自体が単純であっても、方法の複雑さ故に、結果との因果関係が読み解き難いのです。

そうすると、いま採っている「(仮)」の選択が妥当なのか否かの判断に時間を要することになります。
結果、その間に最も貴重な「時間」というリソースがどんどん奪われてしまう。

それを避けるため、「(仮)」で行う選択はシンプルな方から優先するわけです。

そんなわけで、会議が紛糾し始めた場合、その原因が枝葉末節なら先送りと目的再確認で、そうでないなら単純系の選択肢を仮選択と最見直しの設定で、前に進めることが可能です。

補足(と言うか言い訳)

まあ、実際に自分が主催でもない会議でこれをやろうとすると、結局、普段の顔つなぎや仕事っぷりなどが必要になってきます。
そこいらを怠っている人が無理にクチバシを突っ込んでも「お前なに言ってんの?」という顔をされて終わってしまいますから。

会議が合戦の場だとするなら、普段のあれこれはその準備にあたる内政フェイズというわけです。
結局、日頃の積み重ねが大事という、身も蓋もないお話でした。

脚注

脚注
01 まあ、大概「別の機会」は拘っていた人達自身ですら作ることはありませんが。つまり、そういう内容なのです。

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